ヤングケアラーがしていること

ヤングケアラーは

通常は大人が負うと想定されているようなケア責任を引き受けています。子どもたちが行うケアの内容は、家族の病気/障害の種類や程度、ケアが必要とされる頻度、家族構成などによって異なりますが、以下のようなものがあります。

 ●家事(買い物、料理、掃除、洗濯など)
 ●一般的ケア(薬を飲ませる、着替えや移動の介助など)
 ●情緒面のサポート(家族の感情状態の観察、落ち込んでいる時に元気づけようとすることなど)
 ●身辺ケア(入浴やトイレの介助など)
 ●きょうだいの世話
 ●請求書の支払いや病院への付き添い
 ●家計を支えるためのアルバイト
 ●家族のための通訳

子どもたちは、ケアをすることを通して、自分が役に立っていると感じたり、家族との結び付きが強まったと感じたりすることもあります。子どもたちが、実際にケア役割を担っていることに対し、大人からの承認と評価が与えられることは大切です。

ヤングケアラーへの支援が必要になるとき

しかし、子どもがケアを担い始めた時の年齢が低く、ケアが長期(2年以上)にわたる時、そして、そのケア責任が、その子の年齢や成長の度合いに不釣り合いなものである時には、子どもは、自分の心身の発達や人間関係、勉強、進路などにも影響を受けることがあります。このように、ケアが子どもにとって過度な負担になっている時には、子ども自身のニーズや生活状況や要望を確認したり、その子のケア負担を軽くできるよう、さまざまなサービスにつなげることが必要になってきます。

イギリスのヤングケアラー調査

イギリスでは、1980年代末にこうしたヤングケアラーの存在が知られるようになり、1990年代初頭から、このような子どもたちの研究と調査、支援が行われてきました。2011年の国勢調査では、イギリス(England)には16万6,363人のヤングケアラーがいるとされています(※)。2010年にBBCが行なった調査では、こうしたヤングケアラーの数は約70万人と報告されています。

1995年、1997年、2003年には、ラフバラ大学ヤングケアラー研究グループが主体となって、イギリスのヤングケアラー全国調査が行なわれました。この調査は、イギリス各地のヤングケアラー・プロジェクトを通して実施したもので、1995年の調査では641人、1997年の調査では2303人、2003年の調査では6178人のヤングケアラーの情報が分析されています。

2003年の調査の報告書(2004年に刊行)

この報告書の要旨の日本語訳はこちら

※2013年に発表された2011年国勢調査によって、2001年国勢調査のデータも見直され、それまで2001年国勢調査では17万5000人とされてきたヤングケアラーの数も、13万9000人に変わりました。

イギリスのラフバラ大学ヤングケアラー研究グループが作成したスクリーニング・シートの解説は、ヤングケアラーの特徴を知る上で参考になります。
(「支援に役立つ質問シート」をクリックすると、イギリスのヤングケアラー支援の現場で使われている他の質問シートも見られます)

日本のヤングケアラー調査

日本では、ヤングケアラーの数を全国的に示した調査はまだありませんが、総務省が2017年に行った「平成29年就業構造基本調査」の第227-1表では、15~29歳の介護者が21万100人いると示されています。

2015年に日本ケアラー連盟ヤングケアラープロジェクトが新潟県南魚沼市の公立小中学校26校の教員に行った調査では、271人の回答者のうち、4人に1人が、これまでに教員として関わった児童・生徒の中で、家族のケアをしているのではないかと感じた子どもがいると答えています。

南魚沼市「ケアを担う子ども(ヤングケアラー)についての調査」≪教員調査≫報告書

このプロジェクトが2016年に神奈川県藤沢市の公立小中学校55校の教職員に行った調査では、1098人の回答者のうちの48.6%が、そのように感じた子どもがいると答えました。

藤沢市「ケアを担う子ども(ヤングケアラー)についての調査」≪教員調査≫報告書